いつも周りの評価を気にしてしまう人へ
いつも周りの評価を気にしてしまう人がいます。これは誰もが感じる普通の感情なのですが、過剰に周りの評価を気にしてしまう人がいます。
このような状態になると、思い通りに行動できなくなってしまいます。
それは、「自分が何をしたいか」ではなく「周りにどう思われたいか」で行動の決めているからです。
周りの評価で行動
行動の基準が「自分」から「他人」になる
今回は周りの評価を振り回されて息苦しくなっているなと感じている人に、自分らしく自信をもって行動するために、周りの評価は気にしないためにはどうすればいいのかについて紹介します。
目次
周りの評価は気にしない
過剰に周りの評価を気にしてしまう人に伝えたいことは、周りの評価を気にする必要はないということです。
なぜなら、周りの評価は「自分でコントロールできない上に、曖昧でいい加減」だからです。
曖昧でいい加減なものを行動の判断基準にすると息苦しくなるのは当たり前です。
なので、周りの評価は気にしないようにしてください。
しかし、いきなり気にするなと言われても難しいので、周りの評価が気になる原因とその対策について紹介してきます。
周りの評価が気になる理由は『承認欲求』が原因
周りの評価が気になる原因は承認欲求が満たされていないことが原因です。
「なぜこんなに周りが気になるんだろう」「自分を持っていないからじゃないか」と悩んでいる人もいるかもしれませんが、承認欲求は誰もが抱く欲求の1つです。
承認欲求について、アブラハム・マズローが提唱した自己実現理論でわかりやすく説明していきます。
人間の欲求は5段階
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは人間の欲求について簡単に説明すると、人間の欲求は「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の5段階からなり、下の欲求が満たされると上の欲求に向かって努力をするという考え方です。
これを自己実現理論といいます。
その中でも今回は、上から2つ目の「承認欲求」について詳しく見ていきます。
「他者承認欲求」について
承認欲求とは自分の価値を確立したいという欲求ですが、更に詳しく見ていくと2つに分けることができます。
「他者承認欲求」と「自己承認欲求」です。
そして、もしあなたが周りの評価が気になってしまう状況であれば、それは「他者承認欲求」が満たされていないということになります。
他者承認欲求
他者承認欲求は、人に認められたい周りから評価されたいという欲求で、人に褒められたり高く評価されることで満たされる
自己承認欲求
自己承認欲求は、自分を優れた存在として自認したいという欲求で、技術を身につけるなど、自分自身を高めることで満たすことができる
周りの評価を気にしすぎているのは環境のせい?
周りの評価が気になる環境
先ほど紹介した内容を踏まえ、今の日本の環境について見てみましょう。
日本で生活していると、「社会的欲求」までは簡単に満たすことができます。
雨風をしのげる場所があり、食事に困るといった状況はあまりありません。
また、学校や会社に所属していると「社会的欲求」を満たすことができているので、次に満たす欲求は「承認欲求」という人が多いと思います。
その中でも「承認欲求」は、「他者承認欲求」が満たされると更に高次元欲求の「自己承認欲求」に変わります。
しかし、自己を否定されるとそれが難しくなり、「他者承認欲求」は満たされず、むしろドンドン強くなっていきます。
そのため、自己を否定されるような環境だと「他者承認欲求」が強くなる傾向があります。
- 自分を否定され続けてきた
- 何をしても認めて貰えなかった
- 他人より劣っていると感じることが多かった
こうような環境だと「他者承認欲求」が強くなります。
日本の環境は承認欲求を強くする
自己否定される環境も他社承認欲求が強くなる要因です。
しかし、そもそもの原因は日本の会社や学校の教育方針に問題があります。
「周りの期待に応えると評価される」環境であることです。
「褒められるから」「叱られるから」これでは「褒めたり叱ったりする人」のために行動しているのと同じです。
「褒めたり叱ったりする人」に承認してもらわなければ自分の価値を認識できなくなります。
その環境に順応してしまった結果「他者承認欲求」が強くなり、周りに認められたいという欲求が強く表れるようになりました。
承認欲求の危うさについては後程、承認欲求を否定するで解説します。
少しだけ付け加えると、承認欲求が強いというのは日本人の特徴で、海外にいくと「周りから認められることだけを指標に生きていくと幸せになれない」という価値観があるので、外人にはあまりみられません。
周りの評価を過剰に気にしすぎているときの特徴
周りの評価を過剰に気にしすぎていると行動としてあらわれます。
その時の特徴として代表的なものを上げます。
- 自慢話が多い
- 目立ちたがる
- 人のせいにする
- 他人の意見に流される
- 人の話を聞こうとしない
- 多くの人と仲良くなろうとする
これらが周りの評価を過剰に意識してしまうときの特徴になります。
すべてに共通することは、「自分が相手に認められること」が行動基準になってしまい客観的に判断することができなくなっていることです。
このような状態になると、行動が周りの評価に依存している状態なので承認欲求をコントロールする必要があります。
周りの評価が気にしすぎないための対策3つ
周りの評価を気にしないためには、承認欲求をコントロールする必要があります。
欲求のコントロールについて、食欲や睡眠欲はさまざまな方法が紹介されていますが、承認欲求になるとはあまり紹介されていません。
なので、ここでは承認欲求をコントロールするためにはどうすればいいかについて紹介します。
周りの評価を気にしないために
- 自分を評価する
- 承認欲求を否定する
- 周りの評価への認識を変える
自分を評価する
過剰に周りの評価を気にしてしまうのは周りの評価でしか自分を認めることができないからです。
「人に認められて自分は価値がある人間」だと考えています。
なので、周りの評価を気にしないようにするには、周りの評価に関係なく、自分は元々価値のある人間だということに気がつく必要があります。
そのために、周りに評価されるのではなく自分を評価することから始めてください。
そうすれば、自分の価値に気が付くことができ、「みんなに好かれた」「周りにどう思われているだろう」と悩むことはなくなります。
承認欲求を否定する
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは他者から承認を求めることについて否定しています。
承認欲求があるのは当たり前だということを理解した上で承認欲求を否定しているのです。
「アドラー心理学」を解説した書籍「嫌われる勇気」から、承認欲求の危うさについてゴミ拾いを例に承認欲求の危うさについてわかりやすく語っている部分があるので要約して紹介します。
本来、自分の行動と他人の評価は無関係であるため、「ほめてくれる人」「叱る人」に合わせて行動することは不適切な行動であると言っているのです。
200万部を突破したベスト&ロングセラ「嫌われる勇気」は、ドラマ化や舞台化されるなど世間で大ヒットしました。
「アドラー心理学」は、簡単に言うと 自分の人生は自分のものであって他人は関係ないという「承認欲求」を少しでも楽にしたいという「アドラー心理学」を解説しています。
これほど多くの人に受け入れられたのは「承認欲求」が強すぎて生きづらさを感じている人に突き刺さったことが要因の一つです。
もし興味のある方は「嫌われる勇気」を読んでみて下さい。
周りの評価への認識を変える
続いて、周りの評価を気にしないためにしてもらいたいことがあります。
それは、周りの評価への認識を変えることです。
どのように認識を変えるかというと、周りの評価は曖昧でいい加減であるという認識を持つことです。
周りの評価は、「劇的に変化する」か「自分事」でなければ周りは気が付きません。
少しの成長であれば誰も気が付かないし、相手の要望に対して希望を上回る回答をすれば、それがたまたまであっても勝手に評価は上がります。
曖昧でいい加減なもののために頑張る必要はありません。
周りの評価は気になるときは周りの評価の対する認識を変えてください。
周りの評価は気にしない:まとめ
最近では、FacebookやTwitterなどのSNSの普及で周りの評価を求めやすくなりました。過剰に「いいね」を求めてくる人や、ツイッターを使い異常行動で注目を集める「バカッター」これらは、周りを気にして他人に依存した「過剰な行動」です。
今回紹介した「アドラー心理学」は承認欲求を否定することで、「自分の人生は自分のものであって他人は関係ない」という他人に依存しない生き方を伝えています。
周りの評価を振り回されて息苦しくなっているなと感じている人は、周りの評価を気にせずに「他人ではなく自分の人生」を過ごして下さい。