僕は正社員として「5年間」ブラック企業で働きました。
ブラック企業で働いていると、「やる気」や「やりがい」など、大事なモノと引き換えに、いくつかのメリットを受けることができました。
今回は、そんなブラック企業で働くことで得られるメリットについて紹介します。
この記事ではこのような内容について紹介しています。
この記事の内容
- ブラック企業で働く5つのメリット
- この5つのメリットは今後無くなる?
- ブラック企業で働いてわかったこと
この記事はブラック企業でも頑張れというものではなく、ブラック企業で「働いている人」「働いたことがる人」に共感してもらったり、共感できなくて今苦しんでいる人に、その苦しみを乗り切ればこんな世界もあるかもしれないよ、という意味合いで書いています。
気軽に読んでみて下さい。
目次
ブラック企業で正社員として働いたことはありますか??
ブラック企業で働くメリットについて紹介する前に、僕が思うブラック企業について紹介します。
まず始めに、僕が働いていた環境について、「ここがブラック!」と思った部分について、いくつか挙げてみます。
- 休日出勤
- 1日16時間労働
- 達成が難しいノルマ
- 給料は手取り14万
- 残業はすべてサービス
この他にも、深夜の電話や、土日出勤の代わりに使えない有給をよこすなど、挙げればきりがありません。
ただ、ブラック企業について調べてみたのですが、「これがブラック企業です」といった決まったものは無いみたいです。
そのため、今回は、ブラック企業についてわかりやすくするために、ブラック企業の定義を決めておきたい思います。
先ほど自分の環境について色々語りましたが、僕が思うブラック企業の定義として代表的なのはこの2つです。
ブラック企業の定義
- 低賃金
- 長時間労働
この2つはブラック企業に外せない代表的な基準だと思います。
では、ブラック企業の定義を決めたところで、この残念な労働環境から得られるメリットとはどのようなものか見ていきましょう。
ブラック企業で働く5つのメリット!
「低賃金」「長時間労働」この残念な労働環境で得られるメリットについて、5つ紹介していこうと思います。
ブラック企業で働くメリット
- 諦めなくなる
- いっぱい失敗できる
- 家族の絆が強くなる
- 将来について不安になる
- 仕事への考え方が大きく変わる
この5つは、僕が実際にブラック企業で働いて得たメリットで、人によっては当てはまらないこともあるかもしれませんが、1つずつ紹介していこうと思います。
諦めなくなる
ブラック企業では、17時に仕事を振られて、翌日の9時納期はよくあります。
僕の場合は、2~3時間は寝ないと翌日の仕事の作業効率が落ちるので、朝の3時~5時までに仕上げなければいけません。
当時の僕は係長の次席ポジションだったので、今いるメンバーで乗り切るために、仕事の割り振りも考えなくてはいけませんでした。
そのため、段取りよく仕事を終えて、5時に寝るためにはどうすればいいのか、ということだけに集中していました。
諦めて帰るという選択肢もなく、周りも「やるしかないよね~」なので、やるしかないのです。
そして、何回も「意外とできるのもだな」という成功体験を積むと、前まであきらめていたことでも諦めなくなりました。
学校の夏休みの宿題提出なども諦めていたのに、自分の心境の変化に驚きました。
いっぱい失敗できる
ブラック企業は新人教育をしているような余裕はありません。
そのため、いきなり事業を丸投げされるのですが、当然失敗します。
誰も何も教えてくれないので、間違っていることに気がつかないまま、その事業が終わり、次の新しい事業で失敗を指摘されるということも多々ありました。
ただ、ありとあらゆる失敗をしながら得たスキルや知識は、身につくのが早く、また日常生活でも使えることがありました。
これも本当に幅広く失敗を重ねて得たメリットかなと思います。
家族の絆が深くなる
普段から仕事から帰ってくるのが遅く、休日も出勤をしていると、親からは遊び過ぎと怒られ、嫁からは浮気を疑われます。
また、サービス残業が多く、給料に反映されないので疑いに拍車がかかります。
しかし、頻繁にかかってくる会社からの電話で疑いが晴れると、そこから家族との絆が深まります。
基本ブラック企業で働いていると心にゆとりがないので、その時は自己中心的な言動ばかりしてしまうのですが、仕事を辞めてから感謝することが多くなります。
僕は「しんどかったら仕事辞めてもいいよ」と言ってもらえて、すごく楽になったことを覚えています。
これは、ブラック企業をやめることができて、心にゆとりができてから感じることができるメリットかもしれません。
将来について不安になる
ブラック企業で働いていると、将来について本気で悩みます。
どのような不安を抱えるかというと、主にこの2つです。
- この仕事を続ける不安
- この給料で幸せになれるのか
しかし、今にして思うと、将来に不安を感じて20代からこの不安に対して、本気で考えることが出来たのは、大きなメリットだったと思います。
では、実際にどのような不安を感じていたのか、更に詳しく見ていこうと思います。
この仕事を続ける不安
ブラック企業で、毎日終わらない仕事を長時間続けていると、どれだけ頑張っても無駄なんじゃないかという気持ちになってきます。
仕事をしなければ生活できないので、続けるしかないと思いつつも、「この仕事を65歳まで続けるのは何のために生きているのか、わからない」こう考えだすと、転職のタイミングだと思います。
当時の僕も、ズルズルと仕事を続けて、転職するタイミングが遅くなりましが、今ではもっと早く転職活動を始めればよかったと思っています。
もし今ブラック企業で働いていて、「この先、この仕事が続くのか」と悩んでいる人がいれば、とりあえず転職活動を始めることをオススメします。
もし転職活動を始めてみようかなと思っている人はこの記事を読んでみてください。
≫後悔しない転職先を見つける方法とは??転職で失敗しないための3つのポイント!!
この記事は、自分が転職するときに、次は失敗しないようにと、本気で調べた内容についてまとめています。
これから転職しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
この給料で幸せになれるのか
続いて、ブラック企業で働いているとお金が足りなくなります。
また、お金がないと心に余裕がありませんでした。
僕の場合は、毎月手取り14万円でカツカツの生活を続けていたので、「手取り14万円では、車も家も買えない、結婚も難しい、もし仮に結婚しても家族の時間もつくれない。」と思い、自分の将来について本気で悩みました。
その点では、自分の将来と本気で向き合う機会をくれたブラック企業への就職は、今ではよかったと思っています。
仕事への考え方が大きく変わる
最後のメリットは、仕事への考え方が大きく変わったことです。
ブラック企業で働くまでは、上司に言われたことは全て正しく、また会社から与えられた仕事は全てにおいて優先すべきものだと思っていました。
例えば、土日出てきてと言われれば、約束があっても仕事を優先しなければいけないし、それぐらい大切なものだと思っていたのです。
今は違います。
僕はブラック企業と呼ばれているところは、社員からどんな仕打ちをされても仕方がないと思っています。
社員に当日に辞められても、残業代を払えと裁判を起こされて企業イメージが悪くなっても、せっかく働いてもらったのに、休みも残業代も出せない「残念な会社」ですいませんでしたと、受け入れるべきだと思います。
僕がここまで考え方が変わったのは、同じ部の人が仕事による過労が原因で自殺した時でした。
会社は責任を負ったとき、その責任を逃れることしか考えていませんでした。
管理職に責任を押し付け、遺族にお金を払ってしまえば、後は周りに対策しましたとアピールするための「ストレスチェック」などを行って終わりです。
もしブラック企業に就職してしまって、しんどいなと感じているのであれば、今すぐ辞めてしまってもいいと思います。
辞めたいと思っているけど辞めにくい、もしくは辞めさせてもらえないのであれば、この記事を読んでみてください。
退職代行サービスは、当初「現代の若者特有の甘え」として報じられていましたが、その認識は間違いとして変わりつつあり、「労働上問題がある会社」から抜け出すための手段としての需要が高まってきています。
実際に僕が辞表を出したときも、当時の人事のトップは受け取ってくれませんでした。
僕のような場合に当てはまる人は少ないかもしれませんが、退職する際の様々なトラブルを避けたい人にもおすすめです。
- 退職金が貰えるか不安
- 有給休暇が認められない
- 後任者が決まるまでの引き留め
このような問題を抱えている人は、検討してみることをオススメします。
ブラック企業のメリットはホワイト企業にはないの?
ここまで、ブラック企業で働く上でのメリットを5つ紹介しましたが、「この5つのメリットは、ホワイト企業では得られないの?」と思う人もいるかもしれません。
結論から言うと、ホワイト企業では、これらのメリットは得られないと思います。
僕はホワイト企業に就職して、18時には家に着くという素晴らしい生活をしていますが、「ブラック企業」と「ホワイト企業」の両方働いて思ったのは、会社にいる時間が全く違うということです。
冒頭で、ブラックの企業の定義を決めました。
ブラック企業の定義
- 低賃金
- 長時間労働
この2つの内の「低賃金」はあったとしても、「長時間労働」がホワイト企業にはないのです。
そのため、あまり追いつめられることがありません。
お金がないことも十分不安なのですが、「長時間労働」の方がその何倍も辛いです。
また、この2つの「低賃金」「長時間労働」からは、ものすごくいい言い方をすれば、「思う存分働ける環境」ができあがります。
ブラック企業はいつでも人材不足です。
人も時間も足りていません。
2.2 いっぱい失敗できるでも紹介しましたが、ブラック企業に新人をきちんと育てられる環境が整っているはずも無く、入社当初から今動いている事業を丸投げしてきます。
いきなり海に放り出されるようなもので、必死に泳ぐか沈むかしかなくなります。
半年で1/4ぐらいは沈んで(辞めて)しまいましたが、1年も頑張れば、ある程度泳げるようになるので、ホワイト企業で手取足取り教えているよりも早いと思います。
また、僕がブラック企業で働いていたときは、仕事で困っていることがあれば22時以降でも先輩が教えてくれました。
システムについてわからないことがあれば本社に電話をすれば、始発電車が動く時間までは返答が返ってきました。
しかし、今の会社では18時にパソコンの電源を切られ、オフィスは真っ暗です。
これはホワイト企業にはないブラック企業で働くメリットだと感じました。
ただ、これらのブラック企業で得られるメリットは、「うつ病」や「自殺」するかもしれないデメリットと比べると、メリットと言えるものなのか疑問が残ります。
ブラック企業で働くメリットは今後なくなる!?
ブラック企業で働くメリットについて紹介しましたが、このメリットは今後無くなっていきます。
なぜなら、ブラック企業のメリットは「低賃金」と「長時間労働」によって成り立っている環境だからです。
その内の「長時間労働」が働き方改革で無くなろうとしています。
そのため、ブラック企業には「低賃金」しか残らなくなるので、「思う存分働ける環境」ですらなくなり、ブラック企業で働くメリットは全く無くなります。
最近では、働き方改革でアフターファイブと呼ばれ、5時以降の時間を充実させようという取り組みをしています。
そのため、今後さらに働き方改革を推し進めることで、今後のブラック企業のメリットであった「思う存分働ける環境」は無くなりつつあります。
ブラック企業で働いてわかったこと【デメリットが大きすぎる】
僕はメンタル強めです。
しかし、残業時間が長くなり、やりがいも無く、この給料のためにこの先ずっと働くのかなと思うと、自殺するまで追い込まれていく人の気持ちがよく理解できました。
今でこそ「メリットもあったかな」と思えるようになりましたが、当時は働いている会社のことが憎くて仕方がなく、そんなことを思う余裕はなかったです。
また、そんなブラック企業で働くメリットはなくなりつつあります。
なぜなら、ブラック企業で働くメリットを支えていたのは、「低賃金」と「長時間労働」だからです。
今政府が行っている働き方改革は「長時間労働」の環境の改善です。
長時間労働の環境は、直接命にかかわるので、ぜひ進めてほしい改革です。
今回、ブラック企業で働くことのメリットについて紹介しましたが、ブラック企業で働くことを推奨している訳ではありません。
「長時間労働」や「低賃金」で悩んでる人は、その会社はすぐに辞めるべきだと思います。
確かに、ブラック企業で働いて得られたメリットともありましたが、「うつ病」や「自殺」するかもしれないデメリットに比べれば微々たるものです。
実際に僕自身、転職活動を行って、今ではホワイト企業で18時から自分の自由な時間を使って、ブログや趣味の時間に充てて幸せに生活しています。
もし、今ブラック企業で働いていて「しんどいな」と感じるのであれば、転職に向けて準備をすると気持ちが楽になるのでオススメです。
僕は、社員を大切にできない会社は、社員も会社に貢献する必要はないと思っています。
「家族や自分を犠牲にして働いているな」と感じている人は、何のために働いているのかを考える必要があると思います。